広告 映画、テレビ、ドラマ

「すばらしき世界」の映画は実話?モデルとなった人物は田村義明!どんな人だった?

2021年11月8日

※本サイトではアフィリエイト広告を利用しています

映画、「すばらしき世界」が素晴らしい評価となっています。

「第56回 シカゴ国際映画祭」では、観客賞と最優秀演技賞(役所広司)
を受賞しています。

2022年3月11日に開催される、第45回日本アカデミー賞においても
ノミネートは確実だろうとの予測です。

この映画は「ゆれる」「永い言い訳」で知られる西川美和監督の今年の
2月に公開された作品です。

【国際的に活躍する女性映画監督についてもっと知る】
早川千絵監督のプロフィール!是枝監督もカンヌでの快挙を祝福!

直木賞作家・佐木隆三のノンフィクション小説「身分帳」を原案として、
人生の大半を獄中で暮らした実在の男性をモデルに、出所後に戻った社会で
必死に生きる男の姿が描かれます。

*身分帳とは
犯罪歴のある、これまでの入所態度や経歴、行動、家族関係など
詳細に記載している書類のこと

13年の刑期を終えて出所した元殺人犯・三上を役所広司が演じて
いますが、この受刑囚にモデルとなった人物がいるというのです。

今回はこの映画が実話の話なのか?
またモデルとなった人物、田村義明はどんな人だったのか?
主人公の顛末はどうなるのか?

を調べてみたいと思います。

素晴らしき世界
スポンサーリンク

すばらしき世界の映画は実話?

この「すばらしき世界」で描かれるの映画の内容は実話に基づいています。

この映画は1990年に書かれた小説「身分帳」を原案に、舞台を原作
から約35年後の現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で
過ごした男の再出発の日々を描いています。

監督の西川美和は2015年に佐木隆三が亡くなったことをきっかけに
この本を読み、すぐさま映画化にしたいと思ったそうです。

2002年の監督デビューから一貫して自分で脚本を手掛けているので
今回もその想いで、脚本を仕上げるのに4年の歳月を要しました。

35年前の話を現代版にするために、元受刑者、元暴力団員、主人公が
幼少期を過ごした福岡の福祉施設へ取材を試みています。

この映画の冒頭で描かれる主人公、三上の出所シーンは旭川刑務所の
協力をえて撮影されていますが、旭川刑務所にも取材を重ねています。

今まで西川美和作品にはあまり興味をもったことはなかったのですが
今回を機に他の映画を観たくなりますね。

小説では1986年2月、極寒の旭川刑務所から主人公が出所したところから
始まります。

それを舞台を令和に変え、出所した三上が個人台帳(昔はこれが身分帳)
をテレビ局に送り、二人のテレビマンが三上を密着取材をした番組を
つくろうとする序盤の内容となっています。

映画の中で描かれる三上は根の性格は純粋、生真面目で、案外几帳面
という設定。

真面目な奴ほどグレるとヤバイというのはもはや通説ですが、
主人公はまるっきりこのタイプに当てはまります。

出所して更生を誓って生活を始めるのですが、短期ですぐに頭に血が
のぼりやすいタイプな為、周囲ともトラブルを起こしやすい。

こういう方、時々いますよね。感情のコントロールができない人。

普通であれば、日々の人間関係を通して、人との距離感、言葉の
使い方を学んでいきますが、そういったことを学ぶ機会を失った方の
境遇の残念なことを感じます。

人を殺していますから悪い奴ではあるのですが、決して嫌な奴
ではない三上。

裏表のない性格から、彼の周りには結構人が集まる人物として描かれます。

小説、映画通して伝えられるのは、“たった一人で生きてきた男の姿”。

孤独のうちに人生が過ぎていく「悲しさ、焦り、諦め」なのです。

モデルとなった人物は田村義明!どんな人だった?

実はこの映画のモデルになった人物は田村義明さんといいます。

田村義明さんが、自分のことを小説にしてほしいと、1986年に自身の
身分帳を佐木隆三に送付したことから書かれた作品です。

田村義明さんの経歴がありました。

モデルである田村義明は、福岡県福岡市で生まれたとされていますが、
出生届が出されておらず明らかではありません。

芸者をしていた母の千代と、海軍大佐の間に生まれた私生児で、
父親は戦死してしまったのだとか。

そして終戦後の混乱期に母が彼を孤児院に預けたことで離別してしまいます。

その後アメリカ軍の将校宅に養子として引き取られ、ジミー田村と
呼ばれて神戸で育ちました。

しかし本国へ帰る際に本籍地が不明だったことで正式な養子縁組が組めず、
そこでも家族と別れることになります。

その後別の家庭に引き取られるもうまくいかず、だんだんと非行行動
を起こすように。

そして12歳で非行少年として京都の宇治初等少年院に収容。

問題行動を起こし続けて各地の少年院を転々とします。

一度仮退院が認められたものの、取り消されて奈良の特別少年院
へ強制収容。

九州へ移送後18歳で満期出所するものの、暴力団の構成員になって
しまいます。

その後、京都市内で起こした喧嘩により大阪刑務所で服役。

20歳で満期出所したものの、暴力団へのかかわりからは抜け出せず、
再び事件を起こして刑務所へ。

その後も出所しては刑務所に戻ることを繰り返し、33歳で殺害事件を
起こし、懲役10年を言い渡されて服役します。

この殺人の理由は、東京でキャバレーの店長をしていて、ホステスの
引き抜きトラブルから喧嘩に発展し、20代の男性を殺害しています。

刑務所に入所してからも無所内でトラブルを度々起こしたために刑期が延び、
44歳で出所することになりました。

出典:ホンシェルジュ

小説、映画でも出所の年齢は44歳で出所となっていますので
前科者の方がなんのスキルもなく、現実の生活になじもうとすれば
大変な苦労があったことが推測できますね。

日常生活で切符を買うにも電車に乗るにも、窓口の係の口ぶりひとつにも、
過去を咎められた気になって過敏に触れてしまう。

例えば「生活保護を受けることにイライラ、仕事が見つからなくて
イライラ、住んでるアパートの階下のやつが騒いでてイライラする」

など普通の方であればしょうがないと諦めたり、受け流したりする
ことができない性格として描かれています。

普通の人にしてみればなんともない日常が、裏社会と塀の中でしか
生きてこなかった田中義明さんには衝突と挫折の日々が日常となって
いたのでしょう。

すばらしき世界の主人公の顛末は?

小説「身分帳」は東京で住んだアパートがマンションへ建て替えられるのを
きっかけに、主人公が東京から自分のルーツである福岡へ行くところで物語を
終えます。

文庫には小説の主人公のその後が書かれた短編の「行路病死人」
も収録されています。

ちなみに行路病死人とは、行き倒れのことをいいます。

この短編のなかで田村義明さんが、福岡でどのような人生を送ったのか、
作者の佐木隆三とどんなやりとりをしたかが描かれています。

田村義明さんは平成二年十一月一日に福岡市南区のアパートでひっそりと
亡くなりました。

自殺ではありません。

死因は高血圧による脳内出血の病死であると思われます。

それで、彼の葬式をおこなうために、佐木隆三が通夜、告別式に
訪れた人々との交流の様子なども記されています。

「身分帳」の後、この後日談を読むことで、主人公の人間像が、
より明確に浮かび上がってきます。

映画の中では役所広司演じる三上は高血圧が原因で自室で死亡します。

障害を持った介護職員からもらった花を握りしめたまま亡くなります。

その日は三上にとってとても良い日でした。

元妻から電話があり、今度娘と3人で会いましょうと打診されます。

定期的な面談が今後できるかもしれません。すごく気分が良くなります。

そこに発作。苦しい。苦しいのは誰。俺を苦しめたのは誰だ。

血圧を下げる薬はある。
カバンか引き出しに入っている。
俺は生きていて良いのか、そもそも俺は生きたいのか。

今日はすばらしい日だった。そして最悪な日だった。

決断する必要はない。ただ彼からもらった花を握りしめているだけでいい。

そのまま亡くなっていきます。

三上が死んだ後、上にパンして、空をバックに「すばらしき世界」
のタイトルが映し出されます。

これをどう感じるかはその人の感性になります。

あいまいさを身に付け、自分の考えに執着せず、「和を以て貴しとなす」
とする人々が多い世の中で、生きにくさを感じる人は少なからずいると思います。

ただ三上の場合は自分の気持ちに正直に生きたかったのでしょう。

本編でも言っています。
「お前らみたいな卑怯者になるくらいなら死んで結構たい」

「自分を貫くべきか?、社会に合わせて生きていくべきか?」

誰もが必ず一度は迷うテーマです。

それが大人であるかどうかはわかりませんが、世間との折り合いを
つけることは必要なことかと自分は感じます。

三上美和監督がこの映画にかける想いを述べている動画がありますので
ご紹介します。

まとめ

では今回の内容をまとめてみます。

・映画「素晴らしき世界」の話は実話である

・モデルとなった人物、田村義明さんは少年の頃から非行歴があり、33歳で殺人事件を起こし刑務所に入所。
44歳で出所してからも日常生活でのトラブルが多かった。

・すばらしき世界の主人公の顛末は高血圧が原因で自室で亡くなってします。

今回はこの「すばらしき世界」のモデルとなった田村義明さんについて
調べてみました。

人生は100人の人間がいれば100通りの生き方があるといわれます。

ただ、幼少期から不遇な人生を過ごさざる方もやはりいます。

自分の一言が他人の人生を変えることもあります。

常に他人には優しくできる人でありたいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

スポンサーリンク

関連コンテンツ

  • この記事を書いた人

ダッチさん

ブログ歴1年5ケ月、206記事のアラフィフ親父。 1年目は収入0 最近になってブログが収益化できるようになってきました。 本業は保険の営業を27年間。 世の中のトレンドを中心にドラマや映画関連のことをブログに書いています(^^) 日々のブログの実践で実績があったことを含め、皆様方に役にたつ情報をツイートしていきます。

-映画、テレビ、ドラマ